スローライフでご機嫌に暮らす。

思いつくまま、気の向くままに、よしなしごとを綴っています。

高級黒毛和牛の悲しい運命を思う

13年前に、母と湯河原の温泉宿に宿泊した。ちなみに宿探し、切符、その他の段取りは、すべて私がやることになっている。母はすべてお任せモードだ。

 

チェックインの際に「お客様にくじを引いていただきます」と係員が小さな箱を差し出した。

母は昔からくじ運に恵まれている。例えば、福引のあのガラガラを一度回しただけで、石鹸セットや調味料セットなど、そこそこのものを当てる。

私はくじ運はあまりない。ガラガラを20回やって、すべて末等のポケットティッシュだったりする。

 

この時も、私はスカだった。想定内だと思っていたら、隣から「おめでとうございます!」の声が響いた。例によって母が何かを当てたらしい。「本日のお夕飯に、高級黒毛和牛(3,675円)をおつけします!こちらを当てる方はあまりいないんですよ」と興奮気味な係員さん。

 

さすがに運を持っている人は違う。

 

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夕食時間に、件の黒毛和牛がやってきた(写真はよそから借りましたが、こんな器に入っていて、火で焼くタイプでした)。

人の指くらいの肉が3つと、細くそいだネギが2つ。

これが3,675円か。私たち、それだけのお金があったら、絶対違うことに使うよね。1000円のランチと800円のケーキセットも食べられるもんね。いや、なかなかできない体験だよね。

 

そんな話をしつつ、私は火にかかった肉のことは、母に任せることにした。なんといっても母が当てた肉だ。所有権はあちらにある。それに彼女は料理が得意なのだ。何だか長時間あぶりすぎな気もするが、いやいや、私が容喙する話じゃないし…と他の料理をつつきながら、じっと相手の出方を待った。

しかし、母はまったく蓋を取ろうとしない。

「あのさ、そろそろ肉を見たほうがいいんじゃない?」とこらえきれず私が促し、ようやく母が蓋を開けた。

 

 

3切3,675円の高級黒毛和牛が、その名にふさわしく真っ黒に焦げていた。

というか、ほぼ炭になっていた。

 

 

 

「えー、なんでこんな高級な肉を焦がすのよ!」

「だって、全部あんたがやってくれると思ったんだもん」

「当てた人がやらなきゃ!料理得意だって自慢するから、安心していたのに」

「いやー、いつもの調子ですっかり面倒見てもらうつもりでいたわ」

 

教訓。

人を甘やかしすぎないよう、気をつけよう。

行き過ぎた親切は、自立心を妨げる。

 

3,675円の肉を不意にするのは惜しいので、小さいナイフで炭をそぎ落とし、二人で半分ずついただいた。焼き過ぎて固くなり、中指くらいの肉が小指ほどに縮んでしまい、削いだことでさらに食用部が減ってしまった――が、まあまあ美味だった。

 

しかしその金額の価値があるかと問われると、首を傾げる。自腹では食べないな。

やはりくじで当て、特別感ににやにやしながら、いただく商品かもしれない。

 

 

今週のお題「肉」

 

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明日は、一年前から楽しみにしていた巳成金大祭

台風が直撃するという予報を聞いているが、多分進路がそれるか、外出中のみ雨脚が弱まるか等の理由で、滞りなく参拝できるような気がしている。

 

母のような「くじ運」は、私にはない。だが「天気運」には恵まれているので、台風のことはあまり心配していないのだ。もちろん、外出できない状況になったら「呼ばれていないんだな」ということで、おとなしくするつもり。

※他人様に迷惑をかけるつもりはありません。

 

明日は明日の風が吹く