スローライフでご機嫌に暮らす。

思いつくまま、気の向くままに、よしなしごとを綴っています。

当初の目的を思い出せ

星新一のショート・ショートで、こういうものがあった。

才能あるインテリアコーディネーターの女性が結婚した。愛する夫に合わせ、家具はもちろんティッシュボックス、スリッパなどの小物から自分の髪形や服装までコーディネートした。訪問客は皆そのセンスを絶賛し、彼女は幸福だった。

ある日愛する夫が一枚の絵を彼女にプレゼントした。彼女は大喜びしたが、その絵をどこに飾っても馴染まない。しかし愛する夫の気持ちを無にしないため、彼女はその絵を飾った。しっくりさせるため壁紙を変え、家具を変え、スリッパを変え、自分のファッションも変え…と結局家中を模様替えする羽目になった。

しかし、すべて変えたのに何かがしっくりこない。その理由に気づいた彼女は知人に電話をかけた。

 

「最後のお願いよ。夫を取り替えたいの」

 

怖い話。でもありがちな話。

最初の目的がいつの間にか入れ替わってしまうことは、実は珍しくない。

家族を幸せにするために働いているのに、仕事のためなら家族の時間が消えても構わない。

豊かな生活を送るためにお金を貯めようとしているのに、貯蓄のためならどんなに貧しい生活でも我慢する。

 

本末転倒。最近、よく思うのだ。今の生き方は、目的とずれていないか?と。

もちろん最初の目的を後生大事に守らなくてもいい。ゆるやかに軌道修正してもいい。

 

しかし、私の目的は「人生を楽しみ切ること」で、最終目標は「地球生活を大手を振って卒業すること」なのだ。多分、他者を羨んだり、この世に未練を残したり、後世を不安に感じたり――そんな執着をもっていたら、絶対またこの世に戻されてしまう。それだけは、何としても避けるつもりだ。もう地球の生活はお腹いっぱいなのでね。

 

日本生まれの真鍋叔郎さんが日本脱出して幸せそうなので、地球生まれの私が「地球生活卒業」を切望しても、そんなにおかしくないと思う。というか「輪廻転生」は昔から忌み嫌う人のほうが多い気がする。

古代ギリシアでは「一番の幸いは、この世に生まれてこないこと。二番目に良いことは、すぐに逝くこと」という考えが主流だったというし、インド人がガンジス川で逝きたがるのは「あそこで逝けば、二度と転生しなくていい」と信じられてきたからだ。

 

夏目漱石が語ったように「とかくこの世は住みにくい」からね。まあ住みにくい、住みにくいと文句ばかりいっても仕方ないので「住みにくい世をどれほどかくつろげる場所」にするため、日々思考と行動を彷徨わせているのである。

 

今の仕事をそろそろやめようかなと考えつつ「そもそも、私はどうなりたくて、どう暮らしたかったんだっけ」と記憶の遡りをしているのだった。

 

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生きることって、そんなに深刻にとらえなくても何とかなるもんだ。

これから「仕事を続けるメリット・デメリット」「やめるメリット・デメリット」を考えてみようと思う。

 

多分、面倒くさくないほうを選ぶんだろう。更年期の私は。

 

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