スローライフでご機嫌に暮らす。

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私が『ハコヅメ』にはまる10の理由

あまり何かに打ち興じるタイプではないので、はてなブログのお題「〇〇にはまる理由」を読んでもピンとこなかったのですが、そうだ私には『ハコヅメ』があったじゃないか、と思い出しました。

ほとんど人生に執着はなくて、いつ地球卒業しても悔いのないように毎日を生きている私ですが、例外的に「『ハコヅメ』の最終回を読むまでは死んでたまるか」という思いはあります。そのくらい、はまっています。

 

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私が『ハコヅメ』にハマる10の理由

1 物語のリアルさ

作者の泰三子さんが元警察官ということで、かなり詳細な情報を織り込みながら描写されています。天才・秀才・凡才さまざまな人が出てきますが、聞いたこともないような特殊な事件が起きるわけではありません。作者さんが「しょーもないひとたちのしょーもない日常を描いている」と言っているように、リアルな日常が描かれています。

本当に才能がある人は「何でもないところを面白く切り取って描く」といいますが、まさにそれ。

2 絵柄の良さ

泰三子さんが「私は絵で魅せるタイプじゃない」といったように、初期の頃はあまりうまくないんですよね(でも大抵の漫画家さんはそうだと思います)。特に瞳の描き方が前から見たときと、横から見たときと、まったく同じなのでその辺に違和感がありました。ですが、途中から急に魅力的な絵柄になってきました!すごい画力アップ。

もともと似顔絵捜査をしていた泰三子さんなので、正面のおじさん顔がお得意らしい。

作中にたくさんのおっさんが出てきますが、どの方も魅力的です。

むしろイケメン若手の上杉くん、益田くん、有田くんの区別がつかないというか、印象が混じってしまう私…。

 

3 共感できるキャラクター

出てくる人は、いい人や完璧ではないけれど、「理解できない」タイプは少ないように思います。例えば夫が殉職したときに妊娠中の妻が「なぜ助けを拒んだクソババアのために、夫は死ななきゃならなかったの?お腹の子はどうなるのよ!」と激高し、兄である警官が「いい加減にしろ!あいつの死を汚すな!」と怒鳴るシーンがありますが、どちらのいうことも理解できるんですよ。警官の妻は「夫は立派に任務を果たしました」とこらえることを期待されますが、本音はこうだろうな、と。

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4 ちょい役がいい味を出している

他の漫画では、一瞬しか出てこないキャラクターはモブ扱いでそれほど印象に残らないものですが、結構印象に残るキャラがたくさんいます。

私が好きなのは、92話に出てくるケアマネの長山さん。家のことは手抜きで「ハンバーグも作れない」とおおらかにのたまうけれど、仕事と家事のバランスを考えて無理をせず、他人に多くを期待せず、とにかくポジティブでなんでも面白がるキャラクター。一話だけの出演ですが、妙に印象に残りました。そういう楽しい脇キャラクターはたくさんいます。

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5 音楽的なテンポの良さ

読んでいて気分が良いのは、まるで音楽を聴いているかのようなテンポの良さがあるからです。ギャグもシリアスも絶妙なバランスで配置されている。このあたりは、作者さんもすごく腐心しているらしく、『別章 アンボックス』を分けたのは、楽しい話がまったくないからだと説明していました。絵やセリフの展開からも、本当にすばらしい旋律を感じます。美しい流れがあるというか、滞りがないというか、とにかく作品に触れると気持ちが良い。

 

6 すばらしい「抜け感」

漫画家さんの多くは年を重ねると、だんだん話がリアルになっていき重さが増していくような気がします。若い時より、世間が見えてくればそうなるのも当然なのですが、泰三子さんは最初から「重さと軽さ」のバランスを考え、漫画でしかできない表現を手放していないんですね。だから後半から、サスペンスタッチになってきても、人間を深く掘り下げていても、漫画特有の面白さや軽さは少しも損なわれない。

たまに作者が「人間を描こう」と意気込むあまり、展開が重すぎて読むのがしんどくなる漫画もあるのですが、『ハコヅメ』はそういうことは一切ないですね。どこかに、いい意味での「抜け感」があります。

 

7 下ネタを書いても下品にならない

「取り調べには下ネタ知識必要!」と叩き込まれた人たちの集まりですから、そういう話題も頻繁に出ますが、まったく下品な感じは受けません。レンタルショップの取り調べで、18禁DVDのタイトルを何度も復唱するシーンがありましたが、結構笑えました。

あと、女性警官が生理2日目のときに合同訓練にあたり、ナプキンを取り替えることができず、必死で頑張る姿は共感しかない…。

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8 ギャグセンスがキレッキレ

テンポの良い会話もそうですが、全体のギャグセンスが本当に面白い。私は79話の「町山的実践訓練」が大好きで、何度読んでもふきだしてしまうのですが、…シェークスピア喜劇のような妙味があります。お互いの立ち位置を理解していないため、誤解が誤解を生んで、とんでもない方向に事態が進んでいく話なんですが。

 

9 伏線の張り方が半端ない

物語の伏線の張り方がすごい!あの登場人物の小さなつぶやきが、ここにつながっていたのか!と驚かされることがしばしば。なので、何度も読み返したくなります。たまに作者さんが伏線を忘れて設定が変わっていたり、あるいは伏線が多すぎて読者がついていけなくなったり、そういう作品もありますが、『ハコヅメ』はそういうことは少ないですね。強いて言うなら、川合のささやかな胸が、いつの間にかDカップに変更されていたというくらいでしょうか。

 

10 人間があたたかい

警察官の人たちは、癖もあり、欠点もあり、ダメなところも多く、口が悪く、葛藤も多い人たちばかりなのですが、基本みな「あたたかみ」のある人ばかりなんですね。職場としては過酷すぎるけれど、こういう人たちに囲まれて仕事したいな…とちょっと思ったりもします。

しかし「絆というと体裁はいいが、実は『仲間という鎖』でしばりつけているだけだ」という上官の葛藤にまた引き戻されます。理想論を押し付けないところがまたリアル。

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まとめ

この漫画を読むと、すべての警察官の方に感謝したくなります。普段からお手間を取らせることは幸いありませんが、これからも人畜無害ないち市民として静かに暮らしていこうと思っています。変なお仕事を増やさないように。

警察官だけでなく、見えないところで頑張っている人たちに感謝したくなりますし、いろいろありがたいなあ、と思うようになりますね。

笑えて、泣けて、考えさせられて、警察の苦労も少しだけわかり、人生の機微を学び、明るい気持ちになる漫画です。

「読者の期待とは違うかもしれませんが、キャラそれぞれがハッピーエンドを迎える予定」と泰三子さんは語っています。戦線離脱した黒田カナや鬼瓦京子も、違う幸せをつかんでいるし、闘病の某係長も穏やかに旅立ったので――みんなが幸せになるといいなと期待して待っています。

 

『ハコヅメ』は手元に置いて、何度でも繰り返し読むと思います。私のバイブルのひとつになりました。

 

はてなブログ10周年特別お題「私が◯◯にハマる10の理由

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