先月の母の日は、父の10回目の命日だった。
今月の父の日は、母の80回目の誕生日。
来月は、私が宮仕えを卒業する。
今年は節目の年になりそうだ。
弟宅に行く。ミニ薔薇の花束、さくらんぼやキウイ、お菓子などを仏壇に供え「供養だから」と両親の話に花を咲かせようとするも、姉弟ともに既に「次いこ、次」の段階に入っているので「両親の不摂生を反面教師にし、お互い健康に気をつけよう」という妙に前向きな話題になった。
父の旅立ちが先で、母が後で本当に良かった。もし母のがんが先だったら、父が荒れ狂って(そして倒れて)ダブル介護になっていたかもしれない。父ががんで闘病の後、母が心不全でポックリ逝ったら、私と弟はまた違った感慨をもっただろう。
父が心不全、母ががんで逝ったことは、天の采配としか思えない。ふたりとも長患いをしなかった。母の闘病は4か月と短かったが「悔いのないように母と向き合おう」と弟と覚悟を決めていたので、あの時ああしていれば…と悔恨の念に駆られることもない。
コロナ禍前に見送れたのも、僥倖だったと思う。
よく弟に「神様は絶対、私たちに意地悪はしない」という話をする。
通称「姉コーチング」。今日はこんな話をした。
お父さんの心不全は食べ過ぎが原因だよね。お母さんは料理を作り過ぎだよね。…多分、お母さんが生きていたら、〇ちゃん(弟)に大量の食事を出し続けて、お父さんの二の舞になっていたかもしれないよ。
だから神様はお母さんを連れていくことで、〇ちゃんの寿命を守ったんだと思う。
私たちは、相当に運が強いんだから大丈夫。
姉コーチングの効果か、一頃は「両親が80まで生きられなかったのは、親戚内でもウチだけだ」と悲観的だった弟も「今が一番幸せで楽しい」とすっかり元気になった。
弟を励ますことで、私も状況を俯瞰し前に向けるようになったので、姉コーチングというよりもセルフコーチングの意味合いが強いかもしれない。
まあなんにせよ「両親の永眠」を短期間でここまで前向きに解釈できるようになったのだから、かなり開運スキルは上がったと思う。黒帯というか、師範を名乗ってもいいかもしれない。
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仏壇に「来月、仕事辞めるよ」と報告も済ませた。
父が昔「ゆめのは元々目から鼻に抜けるように賢い子だったのに、学校に行ってから伸びなくなった。周りに合わせようとして、却って自分を抑えたんだと思う」と口惜しがっていたのを思い出した。父は私を過大評価している面があるので、称賛の部分を9割引いても「組織に合わない」「周囲に合わせて自滅する」という指摘は当たっている。
母も「あんたは習い事が身につかない。独学でやったほうがいい結果を出す」とこれまた父と似たような評価をしていたのだった。さっき思い出した。
割と得意な運気アップやコーチングも、ほぼ独習で身につけてきたし…。両親の「学校や会社が向かない(=組織から離れたほうがいい)」というのは正解だと思う。
私は霊感はないのだが「早く辞めてしまえ、そんな部署!」と父が背中を押してくれたような気がした。