11/4。酉の市の日に浅草 鷲神社を参拝し、吉原神社、飛不動尊、小野照崎神社を巡った後に、ふと思いついて阿佐ヶ谷神明宮まで行くことに決めました。
この日都営地下鉄・東京メトロ共通一日乗車券を携帯していたので、購入金額900円の元を取るためにちょっと遠くまで足を延ばそうと思ったのです。貧乏性だ。
丸の内線「南阿佐ヶ谷駅」で下車し、15分ほど歩きます(JR阿佐谷駅なら徒歩3分)。実は平成17年まで阿佐ヶ谷に住んでいたため、多少の土地勘はあります。
当時の住まいから神明宮まで徒歩5分程度。何度も参拝したはずなのですが…私の記憶とは違っていました。
こんなに立派だったっけ?
能楽殿。これも見覚えがない。
緑の多いスポット。
北野神社(天神さま)。合格にひっかけて五角なのでしょうか。ここをくぐって参拝しました。しかし、十数年前にこの五角形を見た記憶はまったくない。認知症かな?
瑞祥門(神門)
拝殿。ご祭神は天照大神、月読命尊、素戔嗚尊の三貴子。なんと贅沢な。
この三柱がそろって祀られている神社は、珍しい気がします。
元宮。ご祭神は、伊弉冉命、伊弉諾命、日本武尊。こちらも豪華です。
三日月絵馬もあって、可愛らしい。
色づき始めた樹々が美しい。心が落ち着きます。
幟に書いてあるように「唯一八難除祈祷」が有名です。全国でこの祈祷を行えるのは、阿佐ヶ谷神明宮だけ。
御神木の「夫婦けやき」も色づいています。
🌸 🌸 🌸
帰宅してから公式サイトを確認したところ、
平成二十一年秋に「平成の大改修」が無事竣工し、神明作りの御殿・神門、新しい祈祷殿・能楽殿などが誕生致しました。 境内地は約3000坪のうっそうとした森をなしており、シイ、カシ、クス、ケヤキ、イチョウ等の巨木も多く東京都内最大級の伊勢神宮勧請の神社であります。
とあり、ようやく得心がいきました。平成21年に大改修をしたのなら、平成17年まで杉並区民だった私の記憶になくて当然(良かった、認知症じゃなくて)。
久しぶりの阿佐ヶ谷は、変わったような、変わっていないような。
近くの小学校では生徒たちが往来の落ち葉掃きをしていて「先生、たくさん集まった!これで焼き芋作りたい」「焼き芋かー、いいなあ。でもできないよ」と言葉の応酬をしていたのも微笑ましかったです。秋だなあ。
ちなみに、自分が昔住んでいたアパートの場所は、もう思い出せなくなっていました。番地も忘れたし、今も残っているのか不明。(千と千尋の)銭婆が「本当に大切なことは忘れないもんさ。ただ思い出せないだけで」と語っていましたが、もう大切なものでなくなっているのでしょう。
頭に詰め込めるだけ詰めなくてもいい。何もかも覚えている必要もない。余白を作って、新しいことを入れていく方が好ましいですね。
それをさらさらと忘れていくのも、また一興。
再訪なのに、なぜか初参拝のような清々しい気持ちでお参りできました。
忘れること――体験の記憶を喪失することは、僥倖かもしれません。
11/7は、今年最後の天赦日。大安も重なる吉日ですね。