2015年11月30日に水木しげる先生が永眠され、7年が過ぎました。この日をゲゲゲ忌と称し、ゆかりの地ではいろいろなイベントが催されます。
2022年は生誕100周年。ご命日には調布市の覚證寺にお墓参りに行こう、その前に「水木しげるが見た光景」―紡がれる想いと言葉―水木しげる生誕100周年記念・調布市平和祈念展を見学しよう。少し前から楽しみにしていました。
さて、迎えた当日。展覧会がすばらしかった!水木先生の原画や愛用品、肉筆のメッセージなどもたくさん展示されていて、無料なのが申し訳ないくらいです(これはまた別途記事にします)。
布多天神社「ゲゲゲのサンドアート」
展覧会の後にランチをいただき「墓参りに行こうかな」と考えたのですが、いやせっかくだから、水木先生ゆかりの布多天神社に参拝してからにしよう、と思いつきました。
ゲゲゲのサンドアートが鎮座している!すごい、キャラクターが生きている!
中央の水木先生が幸せそうです。
サンドアーティスト保坂俊彦さんが11/21から制作に入り、11/30に完成させたとか(公開は12/20まで)。
あっ!ゲゲゲの女房こと武良布枝さんと、次女の悦子さんではないですか!水木しげる先生のエッセイだけでなく、ゆかりの方が書いた『ゲゲゲの女房』『その後のゲゲゲの女房』『ゲゲゲの娘 レレレの娘 らららの娘』『水木先生とぼく』なども読んでいるので、すぐわかりました。
後で、中央の男性が、アーティストの保坂さんだと知りました。楽しそうに、布枝さん(水木先生の奥さま)と語っておられますね。
13:00から、サンドアート完成記念式典が始まりました。
奥からアーティストの保坂俊彦さん、布多天神社の宮司さん、調布市議会の小林議長、調布市の長友市長、原口尚子さん(水木先生の長女)、武良布枝さん(水木先生の奥様)、水木悦子さん(水木先生の次女)。錚々たる顔ぶれです。
高さは2m、使った砂は約7トン。雨が降るとテントを張ったりしながら、作業を勧められたとか。完成したらスプレーを吹きかけるので壊れにくくなるそうですが、ぬりかべや一反木綿も厚みをもって作られているそうです。
たしかに、ぬりかべが富士山のように末広がりになっています。後ろに「サラリーマンの山田君」がトホホな顔をしてしがみついています。あと、よくみるとトカゲもいますね。
アマビエも隠れています。保坂さんの「水木先生リスペクト」がビシビシ伝わってきます。すごい!
挨拶に立った小林議長が「12/20までの展示は惜しい!これを壊すのはもったいないから、調布市庁舎にもっていって飾りたいくらいです」と絶賛していましたが、私も同感。
奥さま(布枝さん)が「本当に…感無量です。もっと何かお話しできればと思うのですが、もう感無量としか。ありがとうございます」とご挨拶されていたので、私もじ~んとしました。いろいろなことを思い出されているのだろうな、と。
最後に記念撮影タイム!となったのですが、一眼レフの調子が悪くピンボケ。
セレモニー終了後、取材に応じる布枝さんと、つきそうお嬢さんたち。(スマホ撮影)
いや~、墓参でなく、先に天神社に寄って良かった!水木先生の大切な「ご家族」とともに、大事な「キャラクター」を、ゆかりの「土地」で愛でられる。この上ない僥倖です。
今日の私は冴えているな~。何となく、勘で動いているだけなのに。
覚證寺にお墓参り
公式サイトには「調布駅からタクシーでお越しください」と書かれていましたが、歩けそうなので布多天神社から徒歩で行きました。20分程度。殆ど迷わずに到着できたので、今回はご縁があったように思います。
「水木サンのお墓はあちらです」という掲示。水木先生は、自分のことを「水木サン」と呼ぶので、なんだか先生に話しかけられているような、あたたかい錯覚に陥ります。
鬼太郎とネズミ男に守られています。
溢れんばかりのお花。お手紙もお供えされています。たまたま墓所内に私しかいませんでしたが、少し前に先客がいたらしく、線香から煙が立ち上っていました。ここまで来る途中、何人か「多分、水木先生の墓参りをされた方だろうな」と感じる女性たちとすれ違いましたし。
展覧会で撮影した写真です。生前墓の前でポーズをとる水木先生(88)。このお墓をとても気に入っていらしたとか。
いろいろ感謝を込めて、合掌しました。
偶然の出会い
お参り後、また調布駅まで徒歩で向かっている時のこと。12時の方角から布枝さんと悦子さんが近づいてくるのが目に入りました。
なんたる偶然、なんという神の采配。
千載一遇の好機を逃してはいけない!
「こんにちは!」と話しかけ「布多天神社で見たサンド…感激しました!水木先生の大ファンで、先ほどお墓参りさせていただいたんです。ありがとうございます」とお伝えしたところ「ありがとうございます」とにこやかにご挨拶してくださいました。
「私たちは、これから墓参りに行くんですよ」「そうなんですか、お気をつけて」そんな会話を交わします。
車椅子を押していく悦子さん。
後で「話しかけ方が下手だった」と反省しました。「失礼ですが、水木先生のご家族ですか?」と話しかければいいものを、「こんにちは」で始めたので思い切り不審者っぽくなった気がします。しかもサンドアートの名称を度忘れするし。
悦子さんの表情が訝しそうだったので、これはまずい!と必死にファンであることを強調しましたが…お二人の著書も拝読しているとか、咄嗟に気の利いたセリフが出てこない自分の脳みそが恨めしい。行動の勘はいいけど、会話勘は冴えていないんだな。
多分ご家族は「舞い上がったファンに唐突に話しかけられる」ことは、頻繁にあるだろうから大丈夫。うん、不快感は与えていないはず。と、気を取り直しました。
まとめ
水木先生の愛するものにたくさん逢えて、
水木先生を愛する人たちにたくさん逢えて、
本当に良い一日でした。
霜月の終わりを楽しく締めくくることができ、幸せな気分です。